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検索用情報の申出とは?住所変更登記の義務化に備える手続き
2026年(令和8年)4月1日から、不動産の所有者は住所や氏名に変更があった日から2年以内に変更登記を申請することが義務化されました(なお、施行日より前に生じた未登記の変更についても義務化の対象となり、2028年3月31日までに申請する必要があります)。正当な理由なく手続きを怠ると、5万円以下の過料の対象となる可能性があります。
この負担を軽減するために導入されたのが、法務局が職権で変更登記を行う「スマート変更登記」であり、その事前手続きが「検索用情報の申出」です。2025年(令和7年)4月21日から受付が始まっており(2026年10月5日からは申出事項に「国籍等」が追加)、以下の6項目を法務局へ申し出ます。
- 氏名
- 氏名のふりがな(日本国籍を有しない方は氏名の表音をローマ字で表示したもの)
- 住所
- 生年月日
- 国籍等(日本国籍を有する方は「日本」、有しない方は保有する国籍等)
- メールアドレス(ない場合は「なし」と申出)
あらかじめ登録しておけば、国内に居住する個人の場合、将来引っ越し等をした際に法務局が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で変更を確認し、本人への意思確認通知と同意を経て、無料で住所等変更登記を行ってくれる仕組みです(なお、海外居住者は申出をしていてもスマート変更登記の対象外となるため、転居時等はご自身で変更登記を申請する必要があります)。
相続登記の「同時申出」では既存の自宅は対象外になる点に注意
検索用情報の申出には、相続登記などの所有権移転・保存登記の申請時にあわせて行う「同時申出(義務)」と、すでに所有権の登記名義人となっている不動産について行う「単独申出(任意)」の2種類があります。
ここで特に注意したいのは、同時申出によってスマート変更登記の対象になるのは「今回登記申請をした不動産(相続物件)のみ」という原則です。
当事務所の実務においても、相続をきっかけに自宅の他に親の不動産を取得するケースが多くあります。この時に取得した不動産については、検索用情報が登録されますが、従前から持っていた不動産は登録されていないため、住所移転をしたときに結局住所移転登記をしなければならない必要性が出る場合が想定されます。相続手続きと一緒に以前から所有していた不動産についても検索用情報をついでに登録することをお勧めします。
せっかく相続物件で便利な制度が適用されても、マイホームなどの既存物件が未登録のままでは、将来の転居時にご自身で変更登記を申請する手間や費用が残ってしまいます。管理の手間を一本化する意味でも、相続のタイミングで既存の不動産もまとめて単独申出をしておくと安心です。
既存の所有不動産も申出する手順
以前から所有しているご自宅などについて「単独申出」を行う場合、登録免許税などの税金はかからず無料で手続きが可能です。オンライン(かんたん登記申請)または書面にて、対象の不動産を特定したうえで検索用情報を申し出ます。
単独申出では、原則として運転免許証などの本人確認書類(身分証明書の写し)の提出が必要であり、司法書士等に依頼する代理申出の場合は委任状(代理権限を証する情報)も必要となります。一方、申出事項(氏名・住所・生年月日・国籍等)を証明する公的書類については、住基ネットで情報が確認できれば原則として添付を省略できます(日本国籍を有しない方が無国籍である場合など、住基ネットで確認できないときは国籍等の証明情報が必要です)。ただし、自宅を購入した後に引っ越しをしており、登記簿上の住所が古いままになっている場合(かつ住基ネットで変更の経緯がつながらない場合など)は、戸籍の附票や住民票の除票など、住所の変遷を証明する書類の提出や住所変更登記が必要になる点にご注意ください。
