相続放棄について

・相続放棄とは

相続人の方が、亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産もすべていらないという方は、すべての財産を引き継がないことができます。これを相続放棄といいます。

・相続放棄の方法

相続放棄は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、相続放棄の申述(書類を提出)をして行います。これを裁判所に認められる(「受理される」といいます。)ことによって相続放棄したことになります。

口頭で親族や債権者などに、「放棄します。」と伝えるだけでは、ここでいう相続放棄の効果は発生しませんのでご注意ください。

・相続放棄の申述に必要となる書類

相続放棄をするためには、相続放棄する事情や財産の内容などを記載した申述書のほか、亡くなった方の生まれてからの亡くなるまでの全ての戸籍や住民票、放棄する方の戸籍の他、収入印紙(一人当たり800円分)、郵便切手(84円切手数枚)などが必要となります。

申述内容はそれほど難しいものではありませんが、申述書の記載方法や、戸籍の取得方法や内容にご不安があったり、戸籍の取得が遠方の役所への請求が発生した場合など、ご自身での手続きにご不安等がある場合は、当事務所へ是非ご依頼ください。

・相続放棄の効果

相続放棄をすることによって、放棄した方は最初から相続人ではなかったという取り扱いとなります。

なお、相続放棄をした場合、亡くなった方の財産を受け取ることが出来ません。

ただし、亡くなった方の一切の借金を引き継ぐことはありませんし、連帯保証人になっていた場合の連帯保証債務についても引き継がなくて済みます。

また、亡くなった方がお持ちだった金銭的な価値のないもの(普通の衣類や安価な装飾品等)を形見分けとして受け取ることはできます。ただし、価値があると判断されるものを受け取った場合は、「相続放棄ができる期限に注意」や「相続の方法と特徴」に記載の法定単純承認とみなされる場合もありますので、ご注意ください。

・相続放棄した後の財産の管理

相続放棄がされた後の亡くなった方の財産は、他にも同順位の相続人がいて、相続放棄をしていない場合はその方々へ、他に同順位の相続人がいなければ次順位の相続人に移り、他に相続人がいなくなってしまった場合は、利害関係人などからの相続財産管理人選任の申立によって家庭裁判所から選ばれた相続財産管理人が管理することとなります。

なお、相続放棄をした方は、放棄によって新たに相続人となった方、または相続財産管理人が選任されるまでの間は、その財産を自分の財産を管理するのと同等の注意をもって管理しなければなりません。放棄をしたからといってその財産になにがあろうと放っておいてよい、ということにはなりませんので、ご注意ください。

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