遺産分割協議書の作成

・遺産分割協議書の作成

遺言がない場合や、遺言がある場合でも相続人全員で遺言とは異なる内容で遺産を分けたいという場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、それぞれが相続する具体的内容を決定することができます。

司法書士は遺産承継業務の範囲で、遺産分割協議に同席し、客観的に遺産分割に関する法律的な情報提供を行うことで、協議を支援することができます。

・司法書士が遺産分割協議支援のために提供する具体的な法的知識等

○相続人の確定と協議の当事者

単純な親族関係以外にも、養子や認知により相続人となった方等の確認、相続放棄した方や廃除された相続人の子の取扱いや、第2の相続が発生している場合の相続人の確認など。また、未成年者がいる場合、被後見人がいる場合など協議を行う当事者の行為能力がない場合の対応

○法定相続分 

法定相続した場合の各相続人の相続分割合

○遺産の範囲

葬儀費用や生命保険等、遺産の範囲に含まれるか、含めることができるか等

○特別受益者の存否と額

生前に贈与を受けた方(特別受益者)がいるかどうか、その評価の方法

○寄与相続人の存否と寄与額

寄与分を請求できる要件を満たしているか

○具体的な相続分の算定

特別受益の持戻し、寄与額の控除

○相続放棄、限定承認、単純承認の他、相続分の譲渡や放棄等

各種類の手続きの方法や発生する効果について

・司法書士が行う協議促進のための分割方針の聞き取り等

  • 当事者間の協議における各人の取得希望財産の把握
  • 把握した希望に基づいた分割方法をまとめ、各人の意向に沿う内容を作成し提示
  • 現物分割、代償分割、換価分割のいずれによって行うかの確認
  • 報酬、経費等の提示と負担者及び負担割合の確認

上記を経て、相続人全員のご同意をいただきましたら、正式な書面を作成します。

・遺産分割協議における弁護士と司法書士の立場の違い

遺産分割協議に参加する弁護士は、依頼者である相続人を代理し、依頼者の利益を考えて活動する立場で参加します。これに対して司法書士は、この遺産分割協議に特定人の代理人ではなく、遺産整理、分割協議を進めるために必要な法的知識や情報等の判断材料の提供し、円滑な協議の支援をする中立的な立場で参加します。ですから、司法書士は、遺産分割協議への参加の前提として、相続人の全員から遺産承継業務委託契約を締結している必要があります。

・遺産分割協議段階で紛争性がある場合の対応

上記の通り、司法書士は、紛争性がない前提で、相続人全員から依頼を受けて遺産分割協議に参加するものです。したがいまして、紛争性が高い場合は、弁護士法第72条違反(非弁行為)に該当する可能性があるため、司法書士は辞任することとなります。

その後は、当事者の皆様で話し合うか、または、遺産分割調停等によって相続する内容を決めてゆくこととなります。

・ご自身で作成される場合の注意点

ご自身で遺産分割協議書を作成をお考えの方のために、上記の司法書士が提供する法的知識等の他、以下の点にも十分注意して作成しましょう。

  • 各財産が特定できるよう明確に記載しましょう。
  • 誰が、どれだけ取得するかを明確に記載しましょう。
  • 相続人全員の署名、実印の押印が必要です。
  • 協議書が数ページにわたる場合は、各ページに契印(割印)を押しましょう。
  • 印鑑証明書と署名欄の住所、氏名が一致しているか気を付けましょう。
  • 未成年がいる場合は、特別代理人の選任が必要です。
  • 複数の手続きを同時並行で進めるため、数通作ると便利です。
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